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2004.12.14

「供述によるとペレイラは・・・」アントニオ・タブッキ

夫の本棚にあり、かつ本読みHPの清太郎さんのオススメ本だったので読む。
読みにくそうな本かと思いきや、怒涛の一気読み。

まさか自分が、
心臓をわずらっちゃうぐらいに太っちょで、多分色白で、中年で、
香草入りのオムレツと、レモネードばかり飲んでて、
それゆえに太っちょで、心臓を患いはじめたおデブなポルトガル人に、
こんなにドキドキしちゃうとは思わなかったよー!

「供述によるとペレイラは・・・」
「・・・とペレイラは供述している。」
「・・についてはこの事件に関係ないから話したくないとペレイラは供述している。」

という形式で語られる、ある夏の出来事。

ということは、ペレイラは何かの事件に巻き込まれたか、何かの事件を起こしたか・・・、
ああいったい、ペレイラさんに何が起きちゃうんだろうか?と、もう気になってしまうのよ。
作者、アントニオ・タブッキの策に見事にはまってしまう。

ペレイラというのは、ポルトガルの小さな夕刊紙の文芸面を担当する新聞記者。
昔、大新聞で社会部記者をしていたころは、ひょっとすると真実を報道することに正義感を燃やしていたこともあるのだろうか。でも今は、小さな夕刊紙のたった一人の文芸担当。オフィスだって本社から離れていて、ペレイラは一人で細々と紙面を作っているのだ。敬愛する海外の文学を翻訳して紙面で発表することが仕事であり、彼の愉しみだ。働いているとはいえ、すでに一線を離れ、どこか楽隠居しているような中年男。妻には先立たれ、妻の写真に語りかける淋しき中年男。そして来る日も来る日も、オムレツとレモネードの、デブ男。

その人がよ、時代の流れに何かを感じ、何事かに巻き込まれていくんですよ。
ああもうドキドキ。

読後、うーむ、デブにも品格あり。などと大変失礼な感心をしてしまいましたが、ペレイラにはペレイラの矜持があるのだと、結局感心してしまいました。

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そっれにしても、ポルトガルにおけるオムレツの位置づけが大変気になった。ペレイラが異様にオムレツ好きなのか、ポルトガルでは普通のことなのか?
ポルトガルの行政化にあるマカオに行って、ポルトガル料理を食べたが、それはオムレツではなかったぞ。
雑誌「PEN」の郷土料理特集にポルトガル料理も特集されていたけれど、それによると干しタラと臓物料理が特徴らしい。オムレツはどうなの?
日本における牛丼やらラーメン、アメリカにおけるハンバーガー、イギリスにおけるフィッシュ&チップスのように、ポルトガルにおけるオムレツは国民食なのか?

たまたま、雑誌「散歩の達人」の11月号が銀座特集で、表紙がオムレツというか、オムライスだったんですが、それを視界のすみに入れながらこの本を読んでたので、もうめちゃくちゃ気になりました。

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供述によるとペレイラは…


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