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2005.05.10

「覆面作家は2人いる」北村薫

北村薫の小説は、悪意に満ちた人間が出てこないのがいい。
時々悪意のある人間が出てくるが、主要な登場人物たちの悪を憎む心、恐れる心が作品に一貫しているから、読んでいて安心できる。

「赤毛のアン」シリーズといい、私って性善説に基づく世界が好きなのね。

北村薫ミステリーの愉しみは、名探偵コンビのやりとりでもある。
「空飛ぶ馬」に始まる“円紫さんと私”シリーズは、静謐な優しさにあふれたコンビで大好きだ。

そして、「覆面作家」シリーズ。

こちらの名探偵は、深窓の令嬢にして新進ミステリー作家、容姿端麗の19歳、新妻千秋さんである。
この千秋さんが2重人格。可憐きわまりない乙女と、ケンカ上等・べらんめえ口調の江戸っ子として大活躍してしまうのだ。
振り回されながらも、うれしくてたまらない担当編集者のリョースケも、温厚な好青年。

いやはや漫画みたいな設定ですが、これはこれで面白い。
円紫さんシリーズとは違う軽妙なテンポで、気分よく読める。
短編集だしね。

ちょっと元気がないときに読むといい。
私はちょっと元気になったから。


さて、明日はシリーズ2作目「覆面作家の愛の歌」について書く。
今日はそのための布石です。


「覆面作家は2人いる」

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