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2005.07.31

「気になる部分」岸本佐和子

変わった人だった・・・。

同じく変わり者であるに違いない作家、ニコルソン・ベイカーの本の翻訳者として知られる著者のエッセイ集。ニコルソン・ベイカー「中二階」と同じく、夫の薦めで読む。


何しろ、変わっている。
たとえば、「枕の中の行軍」とうエッセイの冒頭はこうである。

「祖母の家に”お泊り”するのは楽しかったが、枕の中に日本兵がいるのが少し嫌だった。」

なのである。

ハァ?

日本兵?


もしくは「オオカミなんかこわくない」というエッセイでは、オオカミは怖くないけどゴキブリは怖いと綴っている。
そこまではいい。しかし、

「黒光りするボディがこわい。長い触角がこわい。(中略)わしづかみにして手の中にゆるく握ったときの、じたばたと手のひらを蹴る感触がこわい。噛むと口いっぱいに広がる、ちょっと苦い味もいやだ。」

となると、どうなんだ。こわいのはアンタだ。

全てが万事この調子なのだ。

「なーんちゃって。」とは書いてないのだ。どこにも。

今までも、つい勢いでペン先が暴走しちゃいました~的な、エッセイは数多く読んだけれど、岸本佐和子のそれは、非常に落ち着いた文章で、紛れもない事実として淡々と書かれているところが、とても気持ち悪い。異様なのだ。

ホラーではないけど、熱帯夜に読みたい怖いエッセイ。

そして妙に可愛い装丁が、とっても気になる本。↓

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