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2006.04.23

ドストエフスキー「罪と罰」

久しぶりの本読み日記です。
本は読んでいるんだけど、書くのは久しぶりですね。

久々に古典を読んでみました。
きっかけは野田秀樹の芝居「贋作・罪と罰」がとてもよかったからです。
それに本作「罪と罰」を清太郎さんが絶賛していたしね。

野田版は「贋作」ですし、何しろ野田版ですから「罪と罰」の舞台も幕末の日本だったり、主人公は女性剣士だったりして、テイストがまったく違うのですが、台詞のところどころ、岩波の江川卓訳の「罪と罰」を正確に引用していて、「本作・罪と罰」を読むのも面白かったです。


んでもって、ドストエフスキーの本作「罪と罰」。
暗くて窮屈でトゲトゲして偏屈で狭くて発狂して乾燥したお話です。
うん、乾燥してる。可愛そうな話もいっぱい出てくるのに、涙はでない。じめじめしてない。
ドストエフスキーの性格なのかな。

ソフィアやその義母カチェリーナとその子供たちの狂気じみた不幸さや、
ペテルブルグにあふれる貧しく救われない人々の話の部分は、本当に哀れで、この瞬間、「ほっとけない世界の貧しさ」なんて言われたら、ホワイトバンドを何本でも買ってしまう。


主人公ラスコーリニコフは別の意味で哀れな男。
偏屈で狭くて暗くて、心がちっぽけだ。
かわりにプライドだけが肥大している。
頭でっかちで、ハートが小さいんだ。
時折見せる慈悲深い行為も、ハートからではなく、正義感という頭の部分から生じる行動なんだ。


この小説では2人の罪人がでてくる。
ラスコーリニコフとスヴィドリガイロフ。

ラスコーリニコフは「正義」と「権利」のもとに罪を犯し、自分を正当化しているのに、罪の意識から逃れられない。
スヴィドリガイロフは自分の本能から、モラルを踏み越えて淫蕩におぼれる、そこに罪の意識は薄い。

ラスコーリニコフは望みもしないのに愛される
スヴィドリガイロフは欲したのに愛されない
そんな2人のラストは?


ラストは妙に楽観的なラスコーリニコフとソフィアで終わる。
反面、書き手のドストエフスキーは冷め切っている。


かなり面白い小説だ。
思い切って読んでみてほしい。


実は私は中学生のころ図書室で「罪と罰」を読んだ。
読んだはずだった。
今回、まるで初めて読んだ小説のようだったので、自分は本当に読んだのかどうか訝った。
でも遠い記憶は、毎日のように図書室に通ったことを覚えている。

「罪と罰」のラスト。
突然、雷鳴のように愛に打たれるラスコーリニコフとソフィア。
小説に突然、光が射してくる。
思い出した!
私は確かにこの小説を読んだ。この光りにたじろいだ。


そしてもうひとつ思い出したこと。


「いつもここにいるね。何を読んでいるの?」
色が白くて、瞳の中に星が瞬くような、少年が聞いた。

「罪と罰。」

「難しそうな本だね。」
少年は微笑んだ。ものすごい美少年。

思い出した、「罪と罰」は読書の対象ではなく、図書室にいるための”道具”だったっけ。
内容なんか覚えていないはずだ。


ちなみに「罪と罰」のあと、中学生の私は「車輪の下」を読んだ。
でもやっぱり内容は覚えていない。
本読むフリして他に見るべきものがあったからね!


「罪と罰」上・中・下 岩波文庫 江川卓訳


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Comments

久しぶりに読んでみたくなりました。
きっと、思春期の頃とか若い頃に読んだ本、見た映画、聴いた音楽、あらためて見てみると、けっこう発見もあったりするんだろうなあ・・・と思います。

Posted by: わだ | 2006.04.23 at 02:10 AM

わださん、こんにちわ!
確かに、昔読んだ本がまったく違った感想になることもありますね。
自分の中の何が変わったんだろうって思います。

Posted by: Nolly Chang | 2006.04.28 at 10:28 AM

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