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2006.08.22

「バッテリー」あさのあつこ 夏の高校野球!

夏の高校野球が終わった。
決勝戦は素晴らしい投手戦。早実も駒大苫小牧も、すごかった。


すべての一球に、意味がある。
考え抜かれて投げられ、全力で投げられる渾身の一球。
一球、一球のドラマ。


思い出したのは、この本。
あさのあつこ「バッテリー」


この本を読んだすぐ後は、うまく感想を書けなかった。

この本が、息が詰まるぐいらい野球への気持ちでうまっていて、
わたしは呑みこまれてしまったのだ。


野球はビール片手に観るもので、プレイしたことなど一度もない。
もっと言えば、野球どころじゃなくスポーツにのめりこんだこともない。


そんな私が野球と、野球に真剣な少年たちを描いた小説に、
感動したとか、共感したとか、安易すぎて言えなかった。


タイトルどおり、ある少年バッテリーを描いた小説。


ボールによばれるように、投手になった少年、巧。
ただ全力でボールを投げられるなら、それでいい、何もいらない。
チームワークとか、友情とか、興味が無い。
キャッチャーがいる。
ミットめがけて投げ込んでいく。
それだけ。
投げることがすべてだ。

もうひとりは
最高のボールを受けることに喜びを見出すキャッチャー、豪。
しかし天才・巧の傲慢な態度の前に、
そして天才ではない自分に打ちのめされる。


このバッテリーの、一球一球をひりひりする想いで読んだ。


楽しいだけのスポーツでもなく、
友情物語でもなく、
すがすがしい青春物語でもなく、
登場人物ひとりひとりが、野球をしながら自分と戦っている。
苦しくなる。


いい小説だった。


すべての一球に、真剣なドラマがある。
高校野球・夏の決勝は、そのことを十分すぎるほど思い出させてくれた。


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「バッテリー」 あさのあつこ著


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