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2006.09.26

「蜘蛛女のキス」プイグ

秋です!
秋の夜長はやっぱり読書。

今日は断然おすすめの一冊を紹介します!

それは「蜘蛛女のキス」マヌエル・プイグです。


Gガルシア・マルケスの「100年の孤独」といい、プイグといい、
ラテンアメリカ文学ってなんでこんなにも幻惑的で魅惑に満ちているんでしょう。
たまらないわ~。


「蜘蛛女のキス」は、ラテンアメリカの牢獄の中で、2人の囚人の会話で話が進みます。
ひとりは、政治犯。
もう一人は未成年の少年に性的いたずらをした、ゲイの男。

退屈しのぎにゲイのモリーナが、昔見た素敵な映画を細かく政治犯バレンティンに話していく。
その映画描写が素晴らしく、まるで映画を見ているような気持ちになる。
これが最初の罠なのかもしれない。

いつしかモリーナとバレンティンの関係が少しずつ変化していく。
語られる映画の中にも、気持ちの変化が刷り込まれている。
そして迎えるラスト・・・。


何が素晴らしいか、
なぜこの本に惹かれるのか、

多分、惑わされていく感覚・・・なんだと思う。


登場人物は囚人の男2人なのに、
ゲイのモリーナがオネエ言葉を使うせいで、
男と女の会話をイメージしてしまう。

設定は、暗く寒く汚らしい監獄の中なのに、
語られる映画のせいで、
読み手の私の心は、戦時下のパリや、南国のプランテーションへと飛び立ってしまう。


獄中の囚人男2人・・・から私の魂ははるかに開放されていく不思議。
この小説のトリッキーなところだ。


自由を愛し、搾取を憎み、世の中をかえ、人々の意識を変えようとする囚人と
生まれついての性を捨て、とがめられることなく生きて生きたい囚人、
2人を縛り付けているのは、果たして監獄だけなのか、それとも・・・

閉ざされた監獄の中でむしろ開放されていく2人、
閉ざされた監獄の話を読んで、イメージを膨らませていく読者。

そして私は、毎夜 監獄で語られる映画の話の妖しさに、からめとられていきました。


是非2度読みしてほしい1冊です。


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「蜘蛛女のキス」プイグ

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