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2006.09.28

「午後の曳航」三島由紀夫

この本が書かれたのは、昭和38年らしいんだけど・・・・
まったく色あせないどころか、現代日本においてもタイムリー???って言えちゃう内容。


父を5年前に亡くし、母と横浜に暮らす13歳の少年。
その母に船乗りの恋人ができ、男は海を捨てて商売を学び、陸の生活を選ぼうとする。
少年の義父となって。


海を捨て、父親らしく振舞おうとする男への憎しみが募る。


少年は、首領と呼ばれる怜悧な少年、その仲間とともに、
母の恋人(義父)の殺害を企てる。

首領と呼ばれる少年が怖気づく仲間に向かって言う。

刑法第41条
十四歳ニ満タザル者ノ行為は之ヲ罰セズ。


この刑法41条は、大人たちがつくった童話なのだ。
子供に対する夢。
可愛い、かよわい、罪を知らない児童という幻想。
どうせ子供には何もできないだろうという油断。

童話なのだ。

とても危険な童話なのだと。

そして14歳になる前に、少年らは大人たちの童話に感謝しながら、殺人という自由を享受しようとするのだった。

ああ、いやだいやだ。
嫌な話だ。

だけど、14歳未満の児童による、殺人・殺人未遂がたびたび起こり、
そのたびに刑法見直しが議論される昨今。


刑法そのものの見直しもいいが、危険な童話の根本にあるものを、
大人ははっきりと目をそらさないで考えなおしてもいいのかもしれない。


三島由紀夫の作品、あまり好きじゃないんだけど、
またよんでみようと思う。

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「午後の曳航」三島由紀夫


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