映画「バベル」と本「百年の孤独」
映画「バベル」を観る。
バベルとはバベルの塔のバベル。
その昔、人間が神に近づこうとして建てたのがバベルの塔。
しかし神の怒りに触れ、人間は離れ離れにされた。
だから異なる言語、異なる人種が地上の世界には存在するという。
映画「バベル」は、さまざまな壁を映し出す。
人種の壁、言葉の壁、国家の壁、国境の壁、障害の壁。
舞台はモロッコ、メキシコとアメリカの国境、日本とあり、
非常に愚かしい衝動が原因で、窮地に陥る。
それぞれが、壁に阻まれて不安定な状態におかれていく。
壁におびえる彼らを結びつけるのが、
一発の銃弾というのは、なんとも皮肉だ。
それぞれの登場人物が性的に鬱屈していることも興味深い。
そして、この分断され、不安定な世界を生きていくための
ひとつの解を暗示して、映画は終わった。
思い出したのは、G・ガルシア・マルケスの本「百年の孤独」だ。
この本は、この世のどこかにあるようなないような土地の
ある一族の興亡をつづった極めて幻想的な本だ。
原始社会のようであり、神話のようでもある。
ある一族の長い長い物語は、
家族の歴史であり、国家の歴史であり、文明の歴史である。
充実し、発展し、拡大し、
退廃し、縮小し、内にこもっていく。
広大な世界と、
家族という最小の単位。
性を内包した物語。
映画「バベル」と本「百年の孤独」は似ている。
淋しいけれど、希望がなくもない。
人間の物語だ。



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