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2007.07.20

くちなしの花に思うこと

子供の頃、家に、くちなしの花があった。
くちなしの木、っていうほうが正しいのかな。
実家にはまだあるのかもしれない。

今の時期、輝かんばかりの白い花を咲かせて、
甘い香りを漂わせる。
くちなしの花。


小学生の私は、この花が嫌いだった。


むせかえるほど、強い、甘い香り。
白すぎる花びら。

多分わたしは くちなしの花に妖艶な大人の女を感じて
嫌悪していたのだと思う。
わたしはまだ子供だったから。
大人の女は、母でよかった。
大人の女に妖艶さなど求めていなかった。


ある日、くちなしの花言葉が
「清楚」「純潔」「私は幸せ」だと知って愕然とする。

清楚?純潔?

くちなしのどこが?

人を惑わすような強い芳香を放つ花が、
清楚なのか?

あれは、悪い女だ。
悪女の代名詞のような花だ。
なんでみんなわからないの?


夜中に暗闇の中で、くちなしの花を見てみればいい。
白い花びらが、闇に反射するように輝かんばかりだ。
香りは一層強くなり、花の存在感は夜にこそ増すのだ。

夜中、甘い香りに誘われ近づけば
白い肌の女がそこにいる。
私はここよ、と誘いかける。
魔物がひそむ、白い花弁。

なのに「白い花」だから「清楚」なのだという。
中学生になっていた私は、世の中の単純さにあきれ返る。

見た目の白さに、世間はこうも簡単に、だまされるのか、と。


しかし。

高校生になるころには、世間の単純さを利用すればよいと考え始める。

白いブラウス、白いワンピース、
それだけで、「清楚なお嬢さん」になるのなら
なんて世の中簡単なのだろう。


けれども。


30代になった今も、やはりくちなしの花は苦手だ。
私にはあんなに甘く強い香りが出せないと、知っているから。


白で上辺の清楚さは繕うことが出来ても、
妖艶な甘い香りは、かもし出せない。

6月ごろから今の時期、
街を歩いていても、くちなしの花が咲いていることはすぐにわかる。
強く甘い香りがするから。
妖艶な香りがするから。

私とはどうやら対極にあるこの花を、まだ好きになれない。

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Comments

すごく納得できます。
清楚って感じじゃないですよね。
なんか計算されたしたたかさを私も感じます。
地味なくせに(笑)。←そこがまたいやらしい感じも

Posted by: kako | 2007.07.20 at 10:17 PM

kakoさん、こんばんわ。
納得してくれる人がいて正直ほっとしてます。書いてから、くちなしの花が好きな人には申し訳ないなーなどと考えてたので。
ちなみにkakoさんブログのカサブランカの写真をみて、同じ白くて香りが強い花でも、なぜクチナシにはあくどさ(!)を感じるのか・・・を考えながら書いたのでした。

Posted by: Nolly Chang | 2007.07.20 at 11:12 PM

おぉ~、ショートショートストーリーを読んだ気分。

私も子供の頃、くちなしの花の匂いに
つつまれる場所があったことを思い出しました。
そして、花言葉に夢中になったことも思い出しました。

ところで、花言葉ってなんだろう?ね。

Posted by: るん♪ | 2007.07.20 at 11:58 PM

るん♪さん、こんばんは。
花言葉って、世の中がもっと堅苦しくて窮屈であったころに、誰かにこっそり想いを伝えるための知恵なんじゃないかな~~。
そうゆう意味では、新しく品種改良でうまれた現代の花に、花言葉つける理由はないのかな。謎。

Posted by: Nolly Chang | 2007.07.22 at 11:42 PM

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