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2007.10.23

映画「ミス・ポター」

爽やかな気持ちになった映画でした。

主人公は、「ピーター・ラビット」の原作者・ビアトリクス・ポター。


ピーター・ラビットのお話はとても好きです。
たんなる可愛らしいうさぎの話ではないところがいい。
シリーズ全体を読んで感じるのは、動物をよく観察していて、いろいろな動物の可愛らしさ、愚かさ、気味の悪さ、せわしなさ、まめまめしさ・・・等をとてもよく擬人化していること。
観察力のするどさと、豊かな表現力が絶妙なバランスを持っている。

それから、弱肉強食という自然界の側面もしっかり書いている。
ピーターのお父さんはマグレガーさんにパイにされて食べられてしまっているし、
小さな子猫は、大きな家ねずみに食べられそうにもなる。

愛らしさと残酷さが同居する動物の世界。


うーむ、素晴らしいな。


・・・と、今回は「ピーター・ラビット」の書評じゃなかったですね。

映画「ミス・ポター」です。

封建的で、階級社会の残るイギリスで、上流階級の子女として生まれたポター。
独身女性がひとりで出かけるのもとがめられる時代に、
自分の本を売り込みに出版社へ出かけ、
労働が蔑まれる時代に、印刷所まで出向いて色合いの指示をだし、
商売が下等な階級のすることと思われている時代に、
出版社の男と恋に落ちる。

映画はこれらを淡々とあくまで上品に描くのだが、
ひょっとすると当時は破天荒な振る舞いだったのかもしれない。


莫大な印税を得た彼女は、美しい湖水地方を開発事業から守るために、
土地を買い取り、自然を残すことに尽力する。


そして、今、この世界には、
青いジャケットを着た世界一有名なウサギの話と、
美しいイギリスの湖水地方があるのだ。


ひとりの女性の想いが、2つの素晴らしいものを遺した。


素敵だなぁ。

今までも信念を貫いた女性の一代記があったと思うが、
「ミス・ポター」を観て特筆したくなるのは
女性が経済的自由を手に入れることの重要さ、だと思う。

子供の頃から温めてきたウサギの物語を出版して、
編集者と恋をしてラララ~というだけの映画では、甘いだけ。

お金を得たからこそ、自由を勝ち取ったという事実。
お金を以って、湖水地方の自然保護を成し遂げたという事実。

経済的に自立しているからこそ、自分で人生を選び取ることができる。
ミス・ポターをみてるとそう思う。

現代の日本では、女性もどんどん働けるはずなのに、
親なり、恋人なり、配偶者なりに養われたいという人がいるけれど、
自分のお金を持つということは大事だよ、と思います。

他には、ピーター・ラビットのファンにはたまらない、
農場の映像があったり(←歓声をあげそうになった)
CGでピーターが動き回ったり、
いろいろなお話の「メイキング・オブ」が見られたり。
たまらんですよ。


楽しい絵本と
美しい湖水地方と
はかない恋と
素晴らしいお金の使い方


いい映画でした。


映画「ミス・ポター」公式サイト

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Comments

お邪魔します♪
先ほどはコメントありがとうございました^^
ミスポター。本当に素敵でした。
その時代でありながら、とてもパワフルな行動力。
長いスパンで物事を見る目。すばらしーの一言。
女性の自立、わたしも大事だよ。って思います(o^-')b

Posted by: M | 2007.10.23 at 01:43 AM

色んな意味でとても上品な佳作だったと思います。
ゼルウィガーの演技は、ああなるほどこの人からならあの物語が生まれる、という見事なポター像だったと思います。

Posted by: ノラネコ | 2007.10.24 at 12:54 AM

なるほどね~そうですよね。
経済力を持たない女性が惨めなのは今も一緒です。
DVを受けても我慢してる知り合いがいます。
まさに彼女はそれでした・・

Posted by: kako | 2007.10.24 at 07:51 PM

Mさん、こんにちは。
よい映画でしたよね~。もともと不自由のない環境だったにもかかわらず、自立したというのも素晴らしいですよね。

ノラネコさん、こんにちは。
上品な映画ですね。先進的な女性としてもっと激しく波乱万丈に描くこともできたと思いますが、湖水地方の美しさと絵本の可愛らしさとあわせると、あの仕上がりがベストだったな~と思います。心穏やかになりました。

kakoさん、こんにちは。
ええ!!DVを受けてるお知り合い・・・。かわいそうです・・。DVは、暴力そのものがいけないのですが、そこから逃れられないのは女性の経済力のなさだと思いますね。その女性が暴力を甘んじて受けるより、働くしんどさを選び取ってくれるといいのですが・・・。

Posted by: Nolly Chang | 2007.10.25 at 07:04 AM

こんばんはー♪
またまた素適な映画のご紹介ですね。
見たい!読みたい!がどんどん増えていきます。

これまでかわいいピーターの絵柄にしか
注目していなかった私。
ピーターのお父さん、
そんなことになっていたとは、全然知りませんでした。

お金はあったほうがいいけれど、あるだけではダメですよね。
ミス・ポターのような生きたお金の使い方。
素晴らしいです。

Posted by: るん♪ | 2007.10.26 at 08:59 PM

るん♪さん、こんばんは。
ピーターラビットの絵本はねぇ、弱肉強食・食物連鎖もしっかり描かれているんですよ。ピーターの家はお父さんがパイにされて食べられてしまったので、お母さんがウサギタバコ(ラベンダー?)を売って生計を立てているんですよ。

Posted by: Nolly Chang | 2007.10.26 at 11:33 PM

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