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2018.02.24

「おらおらでひとりいぐも」若竹千佐子著

久しぶりに幸福な読書体験を味わう。

55歳で小説教室に通い始め、8年後に書いた本作で
第54回文藝賞受賞、第158回芥川賞受賞。

その経歴だけでも、
人間何歳からだって始められるし
人生は面白いとワクワクする。

しかしもっと面白いのがこの小説。

夫を亡くし、子供たちとも疎遠になり
たった一人で暮らす老女・桃子さんの頭の中を描いている。

過去を思い出し、なつかしみ、
これからのことを考えたりする。

ただそれだけなのに、
東北弁のもつ懐かしさと力強さが味わい深く、
どんどん切り替わり、あふれだす思考が、
まるで場面転換のようになっていて
桃子さんの暮らす団地の一室から
思考も場面もどんどん飛び立っていく。


桃子さんがたどり着いた
圧倒的自由と 賑やかな孤独
とはよく言ったものだ。

一人で老い、一人で生きていく
その淋しさと
なんの束縛もない解放感
老いてなお、いや老いてこそあふれ出す想い。


私は親のことを考えた。
自分が老いたときのことも考えた。

ときどきスーパーで見かける、
独り言がとまらない老女のことを考えた。


「おらおらでひとりいぐも」のラストは
孤独の中でたくましく生きている桃子さんに
とてもやさしいシーンとなっていて、私、落涙。


読んでみてほしい小説。


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